どちらかといえば人とつるんだり迎合したりしない松木勇作弁護士と、誰の誘いも決して断らない、優しさの塊のような町井敏亨弁護士。なぜか一緒にいて楽なのだという。
司法修習生のときに知り合った、タイプのまったく違う二人の弁護士は、同じ事務所で経験を積み、満を持して独立。現在は弁護士法人そうや法律事務所の共同代表としてタッグを組む。
36歳と34歳。タイプも相談のアプローチも違うが、依頼者の話に真摯に耳を傾ける姿勢は同じ。依頼者のために奔走する毎日が続く。 二人の話を前後編に分けてお届けする。
後半はこちらから:モットーは真摯に丁寧に依頼者に対応すること。弁護士法人そうや法律事務所<後編>
弁護士法人 そうや法律事務所 松木勇作先生
2006年、日本大学法学部を卒業。2008年に日本大学法科大学院修了、2011年に弁護士登録。現在は第二東京弁護士会所属。2つの法律事務所で経験を積んだ後、2017年4月にそうや法律事務所(現弁護士法人そうや法律事務所)を設立。また母校である日大で後進の育成に力を入れている。家に帰って飼い猫と過ごすのが癒しの時間。最近始めたゴルフにもはまっている。
弁護士法人 そうや法律事務所 町井敏亨先生
2008年、明治大学法学部を卒業。2011年に明治大学法科大学院修了、2011年に弁護士登録。現在は東京弁護士会所属。2つの法律事務所で経験を積んだ後、2017年4月にそうや法律事務所(現弁護士法人そうや法律事務所)を設立。たくさんの依頼で忙しい毎日を送りながら、誘われた飲み会は必ず参加するという。年間パスポートをもっているほどのディズニー好きでもある。
司法修習生のときの出会いがすべての始まり
―― 松木先生と町井先生が共同代表の法律事務所ということですが、お二人の出会いについて教えてください。
松木先生:
司法試験に合格すると、1年間の司法修習があります。その間に研修生は全国各地で分野別実務修習に取り組むのですが、私も町井も配属先が宮崎、しかも同じ班でした。それが出会いです。
町井先生:
二人とも宮崎に知り合いがいませんでしたからね。プライベートの時間も含めて修習期間のほとんどを、ずっと一緒に過ごしていました。
―― その出会いがどのようにして現在につながっていったのでしょうか?
松木先生:
司法修習が終わって、ある法律事務所に内定をもらったのですが、事務所代表の弁護士に「もうひとりくらい誰かいい人はいないかな?」と聞かれたんです。
幸運なことに(笑)、町井の内定先がまだ決まっていなかったので、声をかけて同じ事務所で働くようになりました。彼は私より2歳年下、タイプもまったく異なりますが、一緒にいてとても楽なんですよ。
そして独立のタイミングで声をかけ、2017年に独立。二人で共同代表となり「そうや法律事務所(現弁護士法人そうや法律事務所)」を開設しました。
町井先生:
私とはまったく違うキャラクターの松木に惹かれていたので、出会ったころからずっと「いつかこの人と一緒に仕事をしたいな」と思っていたんですよ。修習生時代も、よく酒を飲みながら「一緒に仕事しましょう」って言っていました。
独立の話をされたときも、決断力のある松木についていけば間違いないと信じていました。
—— そんなお二人は、そもそもどのようなきっかけで弁護士をめざされたのでしょうか。
松木先生:
テレビドラマの影響もあったのかなぁ。中学生のころから、法律に対する興味はありましたね。また、「人の役に立ちたい」という気持ちもあったように覚えています。だから当然のように法学部を選んだのですが、大学では遊んでばかりでちっとも勉強しませんでした。
私が就職を考え始めたころは、法科大学院ができて間もないときだったんです。「まだ就職したくない」という気持ちもあったので、法科大学院進学のための受験勉強を始めました。
大学院に合格したときは、内心「また遊べるぞ」って(笑)。法科大学院にまで行ったのに一般企業に就職すると言ったら、さすがに親もショックを受けるだろうと思い、司法試験を受けたんです。
町井先生:
私は中学生のころに弁護士が活躍するテレビドラマを見て、なんとなく弁護士に対するあこがれがありました。だから大学も法学部しか受けなかったんですよ。
大学に合格して、最初の1年くらいはがんばって勉強していたんですけどね。思っていた以上に勉強が難しくて挫折。2年、3年はバイトをしたり遊んだり、勉強からほど遠い生活をしていました。
周りの友達が就職活動を始めたのを見て、私自身もようやく将来を考えるようになり、公務員の予備校に通い始めたんです。でも、公務員試験にもかなりの割合で法律の問題が出題されることに気づき、ロースクールへ。
親にもずいぶん迷惑をかけてきたので、もし司法試験に合格できなかったら、公務員試験を受けようと決めていました。運良く一度で合格できて良かったです。
依頼者の話に真摯に向き合う姿勢を大切にする
—— 大変な勉強・研修を経て弁護士になられたわけですが、弁護士を辞めたいと思ったことはありますか?
松木先生:
弁護士を辞めたいというより、単純に飽きっぽい性格なんです。だから、弁護士ではない別の仕事をしたいと思うことはあります。
それもあって、弁護士の仕事のかたわら、大学の課外活動で学生に法律を教えているんですよ。司法試験に合格して弁護士になった学生が報告に来てくれるのはうれしいですね。
町井先生:
独立する前は、同じような状況が続き変化が少ない毎日だったので、「他の仕事をしてみたい」と思ったこともあります。しかし最近は、自分自身で仕事を取捨選択できる立場になり、日々変化の毎日ですから、そう思うことはなくなりましたね。
—— 弁護士という仕事のどのようなところにやりがいを感じられているのでしょうか?
松木先生:
やりがいといえるのかどうかわかりませんが、弁護士という資格にはとても魅力があると思います。
弁護士になったときはまだ20代でしたが、「弁護士・松木勇作」の話には、年上のかたたちもしっかり耳を傾けてくださいました。改めて弁護士という資格のすごさを感じるとともに、どんな年齢・職業のかたとも対等に議論ができるのだ、とやりがいを感じるようになりました。
町井先生:
私の場合、依頼者に「こんなに若くて大丈夫?」と思われてしまうことがあります。だからいつもわかってくださるまで説明することを心がけています。
そうすると依頼者のかたが、「これまで他の弁護士に相談したこともあるが、こんなに丁寧に説明してくれたり、話を聞いてくれたりするのは町井先生だけだ」と言ってくださることがあるんですね。そういうときに、弁護士のやりがいを感じます。
松木先生:
町井と私は、タイプもアプローチも全然違うんですけどね。でも「依頼者の話に一生懸命、耳を傾けよう」という姿勢は同じだと思います。
このまま変わらずに自分たちのできることを精いっぱいやっていきたい
—— これからの事務所の方向性についてはどのように考えていますか?
松木先生:
「飽きっぽいから他の仕事もしたい」という思いと矛盾しているかもしれませんが、この事務所に関していえば、このまま変わらずにやっていきたいと思っています。
町井先生:
私も事務所を大きくしようということはあまり考えていませんね。相談してくださるかたのために、自分たちができる範囲のことを精いっぱいやっていきたいです。
そして現状維持をしながら、どこかのタイミングでもうひとりくらい、一緒に仕事をしたいと思える弁護士に入ってきてほしいですね。そうしたなかで、事務所の従業員にとっても働きやすい環境を提供できればいいと思います。
—— 弁護士に相談することをためらっているかたにアドバイスをお願いします。
松木先生:
私も町井も弁護士ではあるけれど、皆さんと同じようにどこにでもいる普通の人間です。決して怖くはありません。「弁護士」という肩書きがハードルに感じるのであれば、「松木勇作」という一人の人間に気軽に相談してほしいです。
町井先生:
弁護士の敬称は「先生」ですが、私の感覚でいえば「○○さん」の延長線上でしかありません。弁護士だからといって、決して皆さんより偉いわけではありませんから、気軽に相談にいらしてください。内容によっては、専門的な知識をもつかたをご紹介することもできますよ。
弁護士法人 そうや法律事務所
事務所の名前を考えたときに最初に思い浮かべたのが、初代南極観測船として日本初となる南極観測隊を送り込み、不可能を可能にした奇跡の船「宗谷(そうや)」でした。私たちも、どんな困難な問題でも、どうしたら解決できるかを常に考え、ご依頼者様とともに解決への道を切り開いていく、「宗谷」のようなパートナーでありたいと考えています。
私たちの日常生活や事業活動のなかにおいて、法的な問題は「数多く」「多様な」形で存在しています。しかしそのなかには、弁護士が対応することで適切な解決に導ける事案も少なくありません。
さまざまな問題に直面する多くのかたに、満足のいく解決方法を提供できますよう、事務所が一丸となって取り組んでまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
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取材・文/米谷美恵 撮影/米谷美恵