司法修習生のときに知り合ったまったく違うタイプの二人の弁護士が、共同代表として設立した弁護士法人そうや法律事務所。
30代半ばという若い二人の弁護士は、「弁護士」という肩書きにあぐらをかくことなく、真摯にそして丁寧に依頼者と向き合う。将来的には、主治医をもつように、何かあったらすぐに相談できる弁護士、法律事務所を呼ぶという意識が、日本にも定着すべきだと考える。
これまでの弁護士像をいい意味で裏切ってくれる松木勇作先生・町井敏亨先生に、前編に続き話を伺った。
前半の記事はこちら:タイプもアプローチも異なる二人の弁護士が開設。弁護士法人そうや法律事務所<前編>
弁護士法人 そうや法律事務所 松木勇作先生
2006年、日本大学法学部を卒業。2008年に日本大学法科大学院修了、2011年に弁護士登録。現在は第二東京弁護士会所属。2つの法律事務所で経験を積んだ後、2017年4月にそうや法律事務所(現弁護士法人そうや法律事務所)を設立。また母校である日大で後進の育成に力を入れている。家に帰って飼い猫と過ごすのが癒しの時間。最近始めたゴルフにもはまっている。
弁護士法人 そうや法律事務所 町井敏亨先生
2008年、明治大学法学部を卒業。2011年に明治大学法科大学院修了、2011年に弁護士登録。現在は東京弁護士会所属。2つの法律事務所で経験を積んだ後、2017年4月にそうや法律事務所(現弁護士法人そうや法律事務所)を設立。たくさんの依頼で忙しい毎日を送りながら、誘われた飲み会は必ず参加するという。年間パスポートをもっているほどのディズニー好きでもある。
立場を越えてどんな人にも丁寧に対応する
—— これまで弁護士として関わった事件の中で、特に印象に残っている事件を教えてください。
松木先生:
弁護士1年目に担当した個人の破産事件でしたが、相手がたの個人の債権者のかたに、すごく感謝されたことがあります。
ある破産事件で、私は破産申立人の代理人になったのですが、相手がたの債権者のかたも個人で、破産についての知識をおもちでなかったんですね。そのかたは、他に相談できる弁護士がいないからと、私にいろいろ質問されてきたんです。立場的には相手がたになるのですが、できるだけ丁寧に説明するようにしました。
破産事件自体は終了して債権は消えましたが、相手がたが私にとても感謝してくれましてね。「破産申立人に対する別の事件で代理人になってほしい」とご依頼がありました。
もちろん、破産事件で私は申立人側の代理人でしたので、違う事件ですからと言って、このかたの代理人を務めることはお断りしましたけれど……。敵対関係ではありましたが、上から押さえつけるような対応をしなくてよかったなと心から思いました。
町井先生:
私も破産のご依頼ですね。別の弁護士に依頼して解決したはずの借金で、損害金などを含めると何千万という金額になるような処理の漏れが、時効間近に見つかったんです。破産手続きをすれば支払い義務は免除になりますが、その代わりに資産も手放さなければなりません。
依頼者はご高齢だったので、破産手続きをとると、資産形成をして蓄えてきた資産がなくなるような状況でした。結局破産手続きの準備を進める中で、債権者に事情を説明したうえで減額交渉をしたんです。
債権者のかたがこちらの話をよく聞いてくださったので、結局は破産することもなく、ある程度の財産を残したまま解決できました。
増加する「破産事件」の相談に力を注ぐ
—— お二人とも、印象に残る事件に「破産」を挙げられていますが、やはり「破産」や「債務整理」の相談は増えているということでしょうか?
松木先生:
破産するかたは年間8〜9万人いますからね。若ければ20代前半から、上は70代・80代というかたもいらっしゃいますから、いろいろな年代で問題になっています。
町井先生:
破産に至らなくても、任意整理手続きをされているかたもいらっしゃいます。かなり多くのかたが借金返済に悩まれているということですね。
お互いの良いところも悪いところも認め合う
—— 司法修習生時代からこれまでずっと行動を共にされていますが、お互いの良いところはどこだと思われますか?
松木先生:
町井は、良いところでもあり悪いところでもあるんですけど、ざっくりいえば「優しい」。人当たりも良く、頼まれたことは基本断らないですね。
町井先生:
松木も言っているように、私は優し過ぎて、なかなかものごとを割り切れないところがあるんです。それに比べて、松木はできる・できないをしっかりと線引きしています。その点は仕事の場面でも発揮できていますね。
プライベートで飲みに誘っても、「行かない」とはっきり断りますしね。私は誘われたら決して断れないけど(笑)。
—— 学生時代に勉強以外で熱中していたことはありますか?
松木先生:
高校のときも大学時代も、部活やサークルにはほとんど参加せず、仲の良い友達とひたすら遊ぶ毎日でした。
町井先生:
私は高校時代は部活でバスケに熱中していました。どちらかというと部活より勉強に力を入れている学校だったので、チームはとっても弱かったですけどね。朝・昼・放課後とあんなに練習していたのに、ベンチにすら入ったことはありませんでした。一生懸命練習していたのに、試合で活躍した経験がないまま終わっちゃいました(笑)。
—— プライベートの時間はどのように過ごされていますか? もし趣味などがありましたら教えてください。
松木先生:
仕事の一環ですが、最近、ゴルフを始めました。グリーンに乗るまではどれだけ飛ばすかを考え、グリーンに乗ったらどれだけ正確に入れるかを考えるなど、そのメリハリがおもしろいと思っています。
平日は、家に帰って飼い猫と戯れるくらいかなぁ(笑)。
町井先生:
私の趣味はディズニーに行くことかな。妻がディズニー好きなので、年間パスポートを買って、月に1・2度二人で出かけています。でもアトラクションに乗るというより、散歩して酒を飲んで帰ってくる感じです(笑)。だからパーク内でお酒が飲めるディズニーシーに出かけることが多いですね。
「メールで聞いてみよう」から始めてほしい
—— 毎月かなりの件数の依頼を受けていますが、依頼者はそうや法律事務所をどのように探してくるのでしょう?
松木先生:
インターネット広告を出しているので、多くのかたはそれを見て相談にいらっしゃいますね。その次に多いのがご紹介です。
町井先生:
弁護士にかぎらず、何かを探すときはまずインターネットで調べるところから始まりますよね。インターネットの普及によって相談の間口は広がって、相談件数自体はとても増えています。
—— 悩んだり迷ったりすることがあったときは、どんな小さなことでも相談に乘っていただけるのでしょうか。
松木先生:
例えば、風邪をひいたら病院に行くように、何か困ったことがあったら弁護士のところに行くようになればいいなと。主治医をもつように、些細なことでも弁護士に相談してくれたらいいと思いますね。
町井先生:
ぜひ「わからないから電話して相談してみよう。メールで聞いてみよう」から始めてください。法律事務所は決して怖い場所ではないですよ。
弁護士法人 そうや法律事務所
事務所の名前を考えたときに最初に思い浮かべたのが、初代南極観測船として日本初となる南極観測隊を送り込み、不可能を可能にした奇跡の船「宗谷(そうや)」でした。私たちも、どんな困難な問題でも、どうしたら解決できるかを常に考え、ご依頼者様とともに解決への道を切り開いていく、「宗谷」のようなパートナーでありたいと考えています。
私たちの日常生活や事業活動のなかにおいて、法的な問題は「数多く」「多様な」形で存在しています。しかしそのなかには、弁護士が対応することで適切な解決に導ける事案も少なくありません。
さまざまな問題に直面する多くのかたに、満足のいく解決方法を提供できますよう、事務所が一丸となって取り組んでまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
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取材・文/米谷美恵 撮影/米谷美恵