円山・参道前法律事務所 中川 和彦先生
円山・参道前法律事務所所属。北海道警察に勤務したのち、北海道大学法科大学院卒業。警察官から弁護士という異色のキャリアをもつ。現在は警察官の経験を生かし犯罪被害者支援に注力する。趣味は、アニメや漫画、お酒など。
——まずは、弁護士になったきっかけを教えてください。
私は大学卒業後、警察官として11年間働いていました。やりがいもあり、これといった不満もありませんでした。
しかし年を重ねるうちに、警察官の業務範囲では被害に遭われた方にできることが限られると感じるようになりました。警察官の場合、加害者を逮捕するまでがひとつの区切り。事件後のことや民事的なことは弁護士への相談を勧めることが多かったんです。
また、警察の当直勤務をしていると各種の様々な問い合わせを市民の方々からいただきます。その中には、警察では対応できない内容の相談も多々あります。困っている方がこんなにもいるのに、自分ではどうすることもできない歯がゆさを感じていました。
より多くの悩みを抱える方々の手助けがしたい。それなら、大学は法学部で法律を学んでいましたので、警察官の経験を生かした弁護士になろうと思ったんです。これが弁護士を志したきっかけですね。
——現在は、どういった依頼や相談が多いですか?
交通事故や遺産相続、債務整理、近隣トラブル、離婚といったご相談を多くいただきますね。
私は、警察官の経験を生かして犯罪被害者支援に力を入れています。私が所属している円山・参道前法律事務所は、所長の内藤裕次弁護士も犯罪被害者支援に力を入れていますので、支援活動の環境が整っていると感じています。
犯罪被害に遭うと人生は大きく変化します。突然のことに心の整理もつかず、身体も追いついていかない。その中で役所や警察、裁判所で手続きをしたり、場合によっては転職や転居をせざるを得なかったりと、様々な困難が立ちはだかる。これは精神的にも経済的にもつらい状況です。そういった方の負担が少しでも軽くなるようにサポートするのがおもな業務ですね。
——特に印象に残っている案件などはありますか?
具体的な内容は申し上げられないのですが、犯罪被害者支援で関わらせていただく案件は、どれも印象に残っています。
刑事事件に巻き込まれた被害者は、何が起きているのか理解が追いつかない、心の整理ができないまま、色々な手続きを進めることになります。
例えば、治療費。刑事事件では、加害者から治療費を払ってもらうのは当然のことです。しかし、被害者の中には、「そもそも加害者からお金を受け取りたくない」「お金を受け取ったら今後の裁判で加害者が有利になるのでは?」といった考えをお持ちの方もいらっしゃいます。
確かにお気持ちもわかるのですが、被害に遭われたうえ、治療費をご自身で支払うのは、あまりに負担が大きすぎます。
そこで、被害者の方がこれ以上の損害を被らないように、気持ちの整理がつかない部分に寄り添いながらサポートするのが私の役目であると考えています。事件の受け止め方は、人によって異なります。ひとつとして同じ対応にならないため、弁護士として難しさもありますが、その分やりがいも大きいですね。
——警察官だったときの経験が生きていると感じる瞬間はありますか。
警察官をしていると、様々な立場の方と接することが多いんです。だから、人から話しやすいと思っていただけるような雰囲気づくりや、会話のテンポは身についているのかなと思います。
あとは現場の捜査を知っている分、一般的な弁護士よりも事件全体がイメージしやすいですね。警察ではどういった手続きがあって、それがどのような流れで進むのか理解していますから。
——では、趣味や休日の過ごし方を教えてください。
お酒が好きなので、コロナ禍の前は、警察官時代の同期や弁護士仲間とお酒を飲みに行くことが多かったですね。今は新型コロナウイルスの影響で出歩くことも難しいので、家でお酒を飲みながら漫画を読んだりアニメを観たりして過ごしています。
アニメは、1話単位だと続きが気になってしまうので、基本的には録画していたものを一気に観ています。
弁護士になりたての頃に、警察官時代の友人や弁護士仲間から勧められて観た『魔法少女まどか☆マギカ』や『化物語』にはまって深夜アニメをが好きになりました。最近は『鬼滅の刃』もリアルタイムで観ましたね。
漫画は、『HUNTER×HUNTER』、『キングダム』、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』とかが好きですね。ミーハーなので勧められれば、ジャンルにもこだわらず、気になったものはチェックしています。
警察官を題材にした『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』や弁護士が活躍する『弁護士のくず』も、楽しく読ませていただいています。お酒を飲みながら漫画を読んだりアニメを観たりするのが、今は癒しの時間ですね。
——最後に、弁護士に相談することにハードルの高さを感じている方へメッセージをお願いします。
「こんなことで弁護士に相談してもよいのか悩んだ」とおっしゃる方は多くいます。確かに、法律の問題はご自身で判断するのは難しいでしょう。しかし、これにはシンプルな基準があって、それは『ささいなことでも悩んだら、まずは相談する』こと。
弁護士に相談することは敷居が高いと感じられる方もいらっしゃる思いますが、知人に相談するくらいの気持ちで良いと思います。弁護士として、誰にとっても身近な存在でありたいですね。少しでも相談しやすい環境づくりを心がけているので、ぜひお話をお聞かせください。
円山・参道前法律事務所
<取扱業務一覧>
犯罪被害者支援
交通事故
一般民事事件
相続・遺言
離婚
借金問題
成年後見
障害者支援
中小企業法務
労働問題
紛争の予防