横浜関内法律事務所 弁護士 本間久雄先生
神奈川県弁護士会所属。東京大学法学部第一類(私法コース)卒業後、慶應義塾大学法科大学院を経て弁護士資格を取得。弁護士と僧侶、両方の立場を生かし借地管理や宗教法人といった寺院の法律問題に取り組んでいる。
僧侶と弁護士。一見、交わることのなさそうな職業だが、 両方の立場をもつ人もいる。横浜関内法律事務所の本間久雄さんだ。
今回は、『弁護士×僧侶』という異色の肩書きをもつ本間先生にお話を伺った。
——弁護士と僧侶の二足の草鞋(わらじ)を履くことになったきっかけを教えてください。
実は、私の実家が寺院だったんです。幼い頃から寺院が抱えるトラブルを目の当たりにしてきました。寺院はトラブルが少ないように思えて、意外と多いんです。例えば、借地に関するトラブル。
私の実家でも土地の一部を借地として人に貸していたのですが、高額な立退料を要求されることや正当な賃料を払ってもらえないということがありました。
そうしたトラブルに巻き込まれ、頭を抱えていた両親を見ているうちに、「自分が法律に詳しくなって助けてあげたい」と思うようになったんです。
また、檀家さんや他のお寺の方が、両親に法的トラブルや身の上相談をしている場面を目にすることも多々ありました。駆け込み寺という言葉がありますが、本当の意味でも実家を駆け込み寺にできるようにしたいと弁護士になることにしたんです。
——現在は、どういった依頼や相談が多いんですか?
お寺に関する相談が3割、会社関係の相談が3割、残りは一般民事が多いですね。うちの事務所が地方自治体の顧問をしていた関係もあり、行政事件を扱うこともあるんです。また、普通の事務所よりも、国選弁護人として刑事事件や少年事件を多く取り扱っていると思います。
宗教関係だと、借地や墓地の管理などに関する相談を多く頂きますね。
借地を抱えてるところは借地に関する問題、お墓を抱えてるところは、管理料を払ってもらえないといった問題があります。墓地に関しては特殊な分野なので、どこの弁護士事務所でも対応できるものではないんですよね。そうした難しさはありますが、とてもやりがいがあります。
やりがいといえば、他にもあります。私たちの仕事が、人と人の輪をつなぐ瞬間です。例えば国選弁護を担当した際に、裁判がきっかけとなって長い間疎遠だった家族が再会して、再び絆を取り戻すような場面ですね。
裁判自体、争い事が起きてしまっている状態なので好ましくないのですが、それでも私たち弁護士の仕事によって少しでもプラスなことが生まれているのはうれしいですね。
——学生時代に打ち込んでいたことはありますか。
私は、散歩サークルに入っていたので、とにかく歩き回っていましたね。山手線一周はとても楽しかった記憶があります。あとは、奥多摩や武蔵五日市近辺を散歩するのも楽しいんですよ。歩いた後の温泉は格別ですね。一番のお気に入りは三浦半島。城ヶ島のあたりは景色が最高なんですよ。
——現在の趣味や休日の過ごし方を教えてください。
やっぱり散歩ですね(笑)。今は子どもがいるので一緒に散歩することもあります。あとハマっているのは、資格試験ですね。もともと勉強するのが大好きだったので、これが楽しいんですよ。最近だと、知的財産管理技能検定1級や応用情報技術者、販売士1級といった資格を取得しました。
宗教法人や寺院法務に関する著書も多数
——今後の展望、目標を教えてください。
まずは、宗教法に特化した事務所を法人化したいと考えています。日本にはまだ少ないので、挑戦する価値はあるなと。
もうひとつは、弁護士の業務とは離れてしまうのですが、私が今まで取得した資格を生かして、資格の受験道場みたいなのを開きたいですね。資格の勉強方法にはセオリーのようなものがあるんですよ。そうした知見を多くの人に伝えて役に立てればと思っています。
——弁護士に相談することにハードルを感じている方へメッセージをお願いします。
基本的にトラブルというのは、時がたてばたつほど悪化していきます。だから、少しでも早く一歩を踏み出さないと取り返しのつかない状況になる場合もあります。最近は、法テラスや自治体の無料相談もあるので、勇気を出して相談していただきたいですね。
相談した弁護士が気に入らなければ、また別の弁護士にすぐ相談できるようになっていますから。怖がらずに、まずはお電話だけでもいただければなと思います。
横浜関内法律事務所
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